学部のセミナー:
GLOBAL NEWS TV NETWORKS IN EUROPE: A POST-NATIONAL PERSPECTIVE by
Jean K. Chalaby
(City University)
Chalabyは、'メディアの国際化'を3段階に分けて説明する人。InternationalizationとGlobalization、そして、Transnationalization (2005:28-32)。それらが、経済・技術の発展と共に変ってきた、と。分かりやすい説明でいいんやけど、この人は、こういう風な分け方が好きな人なんかも。今日の国際放送局のタイプ分けも、3段階やったわ。
タイプ分けにはいくつかカテゴリーの決め方があって、そのうちの1つが、報道内容での分け方。Chalabyは、商業的なセンセーショナリズム(映像の使い方)になりがちなとこ(SkyとかEuroとか)とそうでないとこ、速報性に重きを置くか、分析に力を入れる(Al-Jazeera EnglishやFrance24など)かなど、そういうわけ方をしてた。
で、その延長に、所謂'西側ジャーナリズム'はあるのかって話になった。(Chalaby曰く'アングロ-アメリカン・ジャーナリズム'。これは、彼が、ジャーナリズムの始まりを19世紀初頭のアメリカに置いてるからかも (1998)。)
ポイントの1つに国家からの独立性がある。これが1個の基準になるのはわかるんやけど、なんとなく、Chalaby以外も含めた全体として、'西側=報道の自由が確立されてる、それ以外=政府による検閲があり、内容は国家のプロパガンダ'って決めうちで話が始まる感じで、違和感がある。法律上報道の自由がある西側諸国でも、無自覚な自己検閲がめっちゃあるやんか~!
France24、Russia Today、CCTV9(中国)、Press TV(イラン)。
この辺の放送局には、それぞれ全部に一定の'国家プロパガンダ'はあると思う。タイプがちゃうだけで、国家制度の話を持ってきてレベルを論じて、「France24とそれ以外」って括りを作ってしまうんはちゃうよ。きっと。それじゃ、あかんねんて。
こういう話になると、アルジャジーラ・イングリッシュ(AJE)が話の中心になる。みんな興味津々なんやん。
アルジャジーラトカタール政権との関係って、ほんま見え難いんよね。
アルジャジーラは、放送内容に関しての口出しは全くない!って言い切るけど、実際のところはようわからん。だって、それを確認する手段が、ほっとんどないんやもん。
アルジャジーラの報道の中にカタールのことってほとんど出てこうへんねんけど、それが、即、アルジャジーラがカタールに遠慮してるってなるかというとそうじゃないんよね。カタールっていう国自体が国際的な規模でなんかに関わってるってことが少ないから、報道するほどのものがないって言われると、それまでやし。ほんで、こっちにそういう情報があるわけでもないし。。。
アルジャジーラがカタール政権を批判できひんって言う人には、カタールがアラブの国やからっていう思い込みがあるんやと思う。反論されても証拠を出せてへんし。で、アルジャジーラの立ち上げスタッフのほとんどがBBCで働いてた、または、トレーニングを受けてたってことを考えると、アルジャジーラのジャーナリズムは、BBC的、つまり、西側的なものなのか?って話が出た。うん、そうとも言う。でも、ちゃうと思う。どこって言われても指せへんけど。
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今日のセミナーは、なぜかMAの生徒もいっぱい来てて、めっちゃ混んでた。なんでやろ?
参考:
Chalaby, JEAN K., 1998,
The Invention of Journalism
, Basingstoke: Macmillan Press.
Chalaby, JEAN K., 2005, "From Internationalization to Transnationalization",
Global Media and Communication 1(1), USA: Sage, p28-32. (Available from
http://gmc.sagepub.com/content/vol1/issue1/. Last accessed on 10 Oct. 2007.)
YUKI